第2話 ウインドアロー帰還せよ

■ホシゾラ・ワタルはSARTの入隊試験を受ける。SARTの入隊試験は、射撃技術や様々な機器の操縦
技術、広くて深い科学t的知識、運動能力、反射神経、IQなどの様々な項目において高い合格点が設定
されており、とてもワタルのような一般人が受けていきなり合格できるような代物ではないため、AP職員
たちの間では、あれは記念受験だとささやかれていた。しかし、ワタルは特別に設けられた短い研修期間
で、操縦技術や科学知識を恐るべき速さで吸収してしまうと、それらの項目で、何とかギリギリ合格のラ
インまでこぎ着ける。また、運動能力や反射神経といった項目では、とても人間とは思えない高得点を
たたき出した。そんなわけで、ワタルは晴れてSARTの隊員となる。

■ワタルは、SARTの基地があるIDA特別防衛センターに行く。そこでまず、長身でダンディーなSART隊
長フウリュウ・ヨシアキ(38)に引き合わせられる。その後、フウリュウ隊長とSARTの作戦司令室に行く
と、隊長から、残りのSARTメンバーの紹介を受ける。
 そのメンツは、
 「君の噂は色々と聞いてるよ。よろしく。」と知的でクールな印象のフブキ隊員
 「イワオだ。よろしく。」ラグビー選手のような、がっちりとした体格のイワオ隊員
 「まあ、分かんないことあったら何でも聞いてよ。」と気さくな感じのイロズキ隊員
 「コグレ・ギンジロウです。ギンって呼んで下さい。」と、とてもアストロポリスの精鋭部隊の隊員とは思
えない、整った顔立ちの美青年ギン隊員

■それから新入りのワタルは、とにかく訓練、訓練、訓練の日々だった。
 ワタルとイロズキが、SARTの主力戦闘機ウインドアロー(WA画像)を使って、飛行操縦訓練の模擬戦
闘を行っている。当然のことながら、ワタルは何度やってもイロズキに勝てない。いとも簡単に後ろに付
かれ、あえなくロックオン。何とかかわそうと無理な動きをしようとしては、バランスを崩してやはりロック
オン。

イロズキ:「ダメだ、だめだ。焦って振り切ろうとするな。ビビって逃げようと思えば思うほど動きは単調に
なってこっちは捉え易くなる。自分の心臓相手の目の前にぶら下げて、相手を右へ左へ振りまわす、ぐ
らいのつもりでやるんだよ!」

■突然、イロズキとワタルの二機のウインドアローの前に円盤が現れる。(円盤画像)訓練中で装備が
万全ではなかったため、二人は戦わず一時帰還しようとするが、円盤は、ワタルの機の後ろにピタリと
付いてくる。そして光弾を放って攻撃してきた。円盤の放った光弾が機体をかすめ、慌てるワタル。

イロズキ:「いいかワタル、落ち着け!練習でやったことをやるんだ。振り切ろうと思うな、我慢して耐え
ろ。すぐに俺が助けてやる!!」

 必死で回避行動をとるワタル。しばらく何とか光弾をかわし続けていたが、ついに一発被弾してしまう。
バランスを崩す機体。次は直撃をもらう、もうだめだと思った次の瞬間、いつの間にか円盤の後ろに回り
込んだイロズキが円盤を狙い撃ち、円盤は墜落する。

イロズキ:「イャッホーッ!!やったぜ!!(旋回して、円盤の落下地点を確認。ワタル機は不時着。)
フウリュウ隊長(司令室から):「イロズキ、油断するな。まだ反撃があるかもしれない。」
イロズキ:「何言ってんですか!見ての通り目標は木っ端みじん・・・」

 その時、円盤の落下地点で、一際大きな爆発が起こり、その巨大な炎の中から怪獣が出現。(怪獣画
像)
イロズキのウインドアローに向かって光線を放つ。不意打ちを食らったイロズキ機は、大きなダメージ
を受け急速に落下。イロズキは慌てて脱出を試みるが間に合うか!?と、それを見ていたワタルはアスト
ロナイトに変身、イロズキを救うと怪獣と決戦する。

《アストロナイトVSドラゴナ》(戦闘シーンは勝手に想像して下さい。)

■ドラゴナを倒し、ワタルはイロズキと合流する。司令室から通信が入る。
フウリュウ:「ワタル、イロズキ無事か!」
イロズキ:「こちらイロズキ。何とか無事です。ワタルも一緒です。」
フウリュウ:「それは良かった。2人とも言いたいことはあるだろうが、報告は帰ってから聞く。急いで帰っ
て来い。」
イロズキ「帰って来いって・・・迎えに来てくれないんですか!?」
フウリュウ:「当たり前だ。ワタルのアロー2はまだ飛べるだろ。修理して2人で乗って来い。」
イロズキ:「そんな・・・」
フウリュウ:「これも訓練だ。」
イロズキ:「・・・りょーかい。」(ワタルに向かって肩をすくめてみせる。)
 (通信切れる。)
ワタル:「じゃあ、行きましょうか。」
イロズキ:「おう。」
 二人は不時着したワタルのウインドアロー2に向かって歩き始めた。(第2話おわり。ストーリーズへ